文学

池波正太郎三昧の一日

浅草にある「池波正太郎記念文庫」に午前中から行った。ここは台東区立図書館に併設されている、時代小説作家・池波正太郎の展示がされている記念館だ。

わりと小さな記念館だが、自筆原稿や本人が所蔵していた資料の大半が池波家から寄贈されているようで、展示内容はとても充実している。(よくありがちな名前だけの、内容が薄い記念館ではない笑)

私は中学~大学にかけて、池波先生の膨大な著作(鬼平犯科帳、剣客商売から種々のエッセイに至るまで)をほとんど読み尽くしたので、「私が思春期に最も影響を受けた人物」と言って間違いない。

大学卒業してから、「何か自己表現する道に行こう」と決意し、まず最初に時代小説を書きはじめたのも、氏の絶対的な影響によるものである。私が25歳のころ、この記念文庫を初めて訪れ、展示されている「池波正太郎の書斎の再現」を見て、書棚にある江戸関連の資料(実際に本人が使用していたもの)のタイトルを一つ一つメモした思い出がある。

それらを家に帰ってから買える値段のものは買い揃え、高額すぎる本は図書館で逐一、確認した。当時も現在も、書斎の写真撮影は館から禁止されているため、一個一個メモするしかなかった。その時に揃えた時代考証本の数々は、いまも私の本棚にあり、日の目を見る時を待っている(笑)


今回あらためて記念文庫を訪れてみて、(三度目の来訪)池波正太郎の絵に関する本を自分はほとんど読んできていないと気づいたので、『東京の情景』『ル・パスタン』などの画集&エッセイ本を読んでみようと思った。時代小説やエッセイを読んでいると、どうしても池波先生の何よりの趣味であった「絵を描く」ということを見落としがちだ。収益とは関係しない純粋な趣味にこそ、その人の表現の本質はあらわれる気がする。


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