対人コミュニケーション

コロナ禍で孤立する若者たち(前編)

このコロナ禍の中、若者は孤立している、ということをよく耳にする。

たとえば大学生は、オンライン授業に切り替わって友達をつくりたくてもつくれない。同じクラスにどんなメンツがいるのかさえ、顔を合わせてないからよく分からない。

ただ一方で、「コロナなんて大したことない、ただの風邪」と言って、友達と遊び歩いて感染を広げている若者が批判の対象になっているのもたしかだ。



私自身36歳で、たとえばジムの更衣室で若者が平然とおしゃべりしているのを見ると注意したくなるし(結局は黙っているが)渋谷のハチ公前で夜おそくまでたむろっている若者たちの映像をYouTubeライブなんかで見かけると、「こんなコロナの時期に何事だ」と、おもわず顔をしかめたくなる。

しかしコロナの状況の中で、友達と居酒屋で飲んで仲を深めたり、部活動やサークルで汗を流し、仲間たちとめいっぱい活躍する…そんな「ふつうの青春」が送れない若者が可哀想で、同情してしまっている自分もいる。

そんな揺らいでいる心境の中で、コロナ禍中の若者の孤独について、自分なりに調べ、向き合ってみることにした。

若者と呼ばれる年齢ではなく、さりとて中高年というには少し若い、36歳の自分だからこそ、見えてくる何かがあるように思えたからだ。

とある若者の相談

Yahoo知恵袋に、とある大学3年生の相談があった。

緊急事態宣言が出されてから、人と会話することがあまりなくなり、毎日の家族との電話以外は、ときどき親友と食事に行く程度。

しだいに何事にもやる気が出なくなり、何をしていても楽しくない、笑うことが少ない…という鬱状態にも似た症状が出はじめた。

夜になると特にひどくなり、自身の欠点ばかりが目について涙が止まらなくなる。思い詰めて本気で死ぬことを考えるくらいで苦しい。何かご意見・アドバイスをください、という相談だった。

一人の、同じ大学3年生がかなりの長文で、その質問に返していた。

それを読むと、かなり良いアドバイスが書かれてあった。

寂しさを紛らわせるためには、掃除がおすすめ。部屋がキレイになることで、気分転換になります。

スーパーへ買い物に行ったときに、甘い物など美味しい物を買ってくるのはどうでしょうか?また、心の元気がないときこそ、野菜を食べると気分が晴れる気がします。

ご家族に一度、電話で悩みを打ちあけてみてはどうでしょう?自分は「迷惑がられる」と思っていても、周りは意外と頼ってもらいたいと思っているものです。

相談者、回答者ともに性別が書いてないので分からないが、どうも相談者が男子学生、回答者は女子学生のように感じられる。悩んだときこそ野菜を食べる、といった発想は、やはり女性でこそ出てくるものだと思う。

コロナ禍のような困難なときこそ、家族を頼っていい。親に悩みを正直に話すのは結構恥ずかしいところもあるが、いざとなった時に一番頼りになってくれるのが家族だ。親友に悩みを話すのもいいが、友達って結局同年代なので、わりと的確なアドバイスをくれなかったりする

私(筆者)も、とくに最初の緊急事態宣言のときは全く人と会話しない毎日がつづき、かなり孤立した。そんなとき、自宅から歩いて5分のところに住んでいる両親に電話でもかけて相談すればよかったけれど、折悪しく両親とは「家を建てるか、建てないか」で小さな喧嘩をしていて無理だった。

その喧嘩も今では完全に収まって、両親とはふたたび良好な関係を築けているが…。

いま思えば、あのとき気軽に両親に悩みを相談できる状態にあれば、緊急事態宣言中も孤立せずに、もう少し気分が楽に過ごせていただろう…と悔やまれる。

やはりこんな時こそ、両親に素直に悩みを話せる関係を保てていることが大事だと感じた。

自粛期間中にしんどいのは、やはり「人と直にコミュニケーションがとりづらいこと」だ。人は誰しも、何らかの承認欲求で生きている。人間関係が断絶されると、「他のだれかに認められたい」という欲求すら無くなってくる。

この質問者の方が自粛期間中に、何もやる気が出ない無気力な状態におちいったのは、とてもよく分かる。いくら自分が勉強や仕事を頑張っても、それを側で見てくれていたり、同じ話題で盛り上がったりする相手がいないというのは本当に辛い。

私も自粛期間中は「自分は何のため、誰のために頑張ってるのか…」と首をかしげたくなる瞬間が何度もあった。

この回答者の方も同じ思いを抱き、同じ辛い体験をしてきたのだろう。だからこそ、長いアドバイスを書いてくれているのだと思う。


とくに「心が辛いときに野菜を食べると、気分が晴れる」など、単純なようでいて、なかなか出来ないアドバイスだ。そのときに自分が本当に食べたいものを考えて選ぶだけでも気分転換になるし、美味しいものを食べることが実は、日々のモチベーションを保つ一番身近な方法だったりする。

日々の食事に気をつける、身近な人に悩みを打ちあけてみるなど、この回答者の方のアドバイスは、コロナ禍を乗り越えていく上で「単純だけど、重要なこと」を教えてくれているような気がする。

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