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記憶に残っている一日

八年前の二月中旬の或る夜。もう春が来たかのような、その日だけ異様に生温かい一日だった。

妙に感傷的になり、玄関の窓から何度も、春の夜のごとき温かな気に包まれた闇をながめた。私の心は快くざわつき、センチメンタルな春の訪れを待っていた。ラジオからは、知らない街に出かけて面白そうな店を探すレポーターの声が、延々と流れていた。

とくに何事もなかったけれど、やけに自分の記憶に残っている一日。そんな日が、ふと記憶の中から何かの拍子に突如よみがえることがある。

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